【駄文】
6月になった。 空が腹を下し、アスファルトを強く叩く音が耳に入るたび、少しずつ夏の影が見えてきたんだなと思う。 外が暑いと家は寒く、反対に外が寒いと家は暑い、北半球と南半球みたいな現象が起こっている4畳半の一室も、そろそろ外界の暑さに耐えられ…
逆に頭以外の選択肢を教えてほしい。 この質問の愚問たるや聞いて呆れる。 頭以外から洗う人は効率ってものを知らないのだろうか。風呂初学者なのだろうか。何十年と生きてきて、未だに自分の最適解を発見していない相当な阿呆なのだろうか。 だとしたら、こ…
くだらないブログを書き始めてそろそろ1年が経とうとしている。 とはいえ月に1、2コ書く程度でありお世辞にも速筆とは言えないが、生活の片隅にブログがあるというこの日常がすっかり板についてきた。 飯を食う時も風呂に入る時も鼻をかっぽじる時も『ブログ…
僕は外食をする時には必ず特盛でオーダーする。特盛がなければ大盛り。これはたとえペンギンが空を飛び始めたとしても決して揺るぐことのないマイルールである。 しかし世の中の「特盛」には心底ウンザリしてる。あれのどこをどう見たら特盛になるんだろうか…
僕は昔から腹が弱く、しょっちゅう腹をくだしてはトイレに駆け込んでいた。腹の弱い者にとって一畳ほどのトイレの空間は聖域であり、テリトリーであり、心安らぐ憩いの場でもあった。 だが、皮肉にも学生時代においてトイレに行く、そしてそこでウンコするこ…
みなさんは金縛りにかかったことはあるだろうか。 寝ている時にふと目が覚めたと思ったら、体が石のように固まってピクリとも動かせなくなるアレだ。人によっては誰かに乗っかられているような感覚に陥ったり、見えてはいけないものが見えたり聞こえてはいけ…
もういい加減やめてもらえないだろうか。 何度も言うがあれはホラーじゃなくて「ビックリ」なのだ。 「夏は涼しくなりたいな」なんて言ってホラー映画を見るや否や、濡れた髪に青白い肌の怖すぎるお化けのドアップと共に音爆弾のようなドーーーーーン!!! …
カンカンテリテリ、相も変わらず夏である。 毎年全国各地で1,000,000,000回以上は軽く繰り出される「今年は暑いね」の話題だが、今年もしっかり暑い。 周知の事実ではあると思うが、僕はそりゃあもう大の夏好きであり、夏が来る度に両の手を上げて庭を駆け回…
突然だが、皆さんは「S」だろうか、それとも「M」だろうか。 今ここで白黒ハッキリつけてSかMか答えなくて結構である。 どちらかと言えばSか、Mか。それくらいの曖昧な回答で構わない。 特に思春期の頃によく見られ、しばしば迫られる2択の質問であるが、で…
夏がやってきた。 ビカビカと世界の彩度を悪戯に上げる太陽。 皮膚がデロンと溶けてしまいそうになるほどの熱波。 体の穴という穴から汗が噴き出し、背骨を抜かれたようにだらんと脱力してしまうほどの猛暑。 「暑さ」は僕たちの理性のネジを緩め、少しだけ…
10年ぶりにディズニーシーに行ってきた。 10年、10年だ。 桃栗三年柿八年の、さらに二年。 ディズニーの果実はどこまで熟したのか、実に楽しみである。 最後に行った時のことはもうよく覚えていないが、ウッディの口があんぐりと開いたアトラクションができ…
東京に来て電車に乗る機会が増えた。 これまでの人生、移動手段の多くを自転車一本で生きてきた僕には、電車というのは雨風を凌げる魔法の箱に他ならない。 自転車はその使い易さだけ見れば最強だが、天候や地形に左右されまくる。 雨が降ればグッショグショ…
は間違いなく柚子である。 ボコボコと醜く凹凸し、便座の裏側のように黄ばんだ果実。 表面はまるで潤いがなく、思春期の野球少年のような肌荒れ加減。 まごうことなきブスである。 世のアンチルッキズムたちも「流石にこれは」と失笑するほどのブスだ。 果実…
少し早めの桜が咲き誇り、一面にはピンクの絨毯が敷き詰められる。 陽の沈む時間が徐々に遅くなって、長袖だと汗ばんでくる日も増えてきた。 そんなことを感じながらパステル色の空を眺めていると、そろそろ春が来たんだなと思う。 出会いと別れの季節。4月…
ガンジー、マザーテレサ、ナイチンゲール。 彼らはいわゆる聖人のカテゴリーに属される偉人であるが、彼らをボウルにぶち込んでかき混ぜたら一体どうなるだろうか。 攪拌された偉人たちはひとつに混ざり、「おいかわ」ができる。 豚肉、にんじん、じゃがいも…
太陽が地平線に吸い込まれていく。 オレンジ色の空に紫色の絵の具が少しずつ混ぜられ、藍色が、そして黒が、間違った分量出されて悪戯に溶かされる。 たちまち空のキャンパスは黒く染まり、世界はひっそりと寝静まる準備を始めるのだ。 だがそれに反抗するよ…
突然の告白で申し訳ないが、今しがた駄菓子界の帝王が決まった。 「ポテトフライ」である。 物事を断定的に言い切ることが良しとされる近年の風潮をあまり好まない僕だが、これだけはハッキリとさせなくてはいけない。 白黒つけて、長きに渡って繰り広げられ…
「時代がすぐそこまで来ている」「未来がキタ」この世にボチャりと産み落とされて21年。それはもう幾度となく聞いた言葉。耳にタコができるほど聞いた言葉。「え!?今度のDSは画面から飛び出すの!?未来キテル!」「VR...!?仮想現実に入れる...!?時…
「温めますか?」「はい、お願いします」「袋はお付けしますか?」「はい、お願いします」「お箸はお付けしますか?」変わらない日常。退屈で、惰性的な毎日。仏頂面の店員が機械的に業務をこなす。無駄のない必要最低限の動きで唇を動かし、言葉を発する。…
夏が好きだ。誰になんと言われようとも、僕は夏が大好きだ。夏がやってくる度に僕は両腕を天に伸ばし、口元からヨダレを撒き散らし、白目を剥いて狂喜乱舞する。それほどまでに、夏が好きで好きでどうしようもないのだ。燦々と輝く太陽。生い茂る木々。やか…
モテたい。とにかくその一心だった。一匹の男として生を受けて21年。今のところ僕にはガールフレンド、つまるところ彼女がいない。21年、なんと21年もの間だ、一度もだ。もし僕が犬であれば、2回は天に召されている。ネズミであれば10回、カブトム…
学校生活を送るたび、僕はその生活に少しずつ退屈してくる。毎日同じ制服に袖を通し、毎日同じ学校へ行き、毎日同じクラスメイトと顔を合わせる日々。校内のどこを歩いても見慣れた顔で溢れていて、友達と話すことはいつもくだらない話ばかり。今日の天気、…
猛烈に怒っている。腹の底のマグマが煮え立ち、食道を滝登り、口からこぼれ、滴り、大地を焼き焦がすほどに。地団駄ひとつで地球にパックリと割れ目ができ、その振動でこの世のあらゆる建物が崩壊し、天にぶら下がっている月も太陽も落ち、世界が永遠の闇に…
突然だが、もういっそのこと人間であることを辞めたい。犬や猫のように、オスもメスも関係なく全身が毛むくじゃらだったらどれほど楽だったでしょう。街を歩くすべての人間が、「毛」という名の服を身に纏っていたらどれほど幸福だったでしょう。 米津玄師の…
この世に「万能」と呼ばれるモノは、そう多くは存在しない。例えば、車。陸地を自在に駆け抜け、人間が走るスピードよりも遥かに速い速度で進むことのできる鉄の箱。だが、それはあくまで陸地に限る話であり、ひとたび大海原や空の旅に赴こうものなら、プロ…
どうにも最近、祖母が苦しんでいるんです。なんでも腰と脚に激痛が走っているみたいで。もうこっちは、祖母の辛そうな顔を見るたびあたふたしちゃって。そんなある日、僕の元に突如電話がかかってきたんです。出てみたら「タスケテ」って。もうね、怖いよ。…