23日目:歩いてお遍路してくるから一緒に結願気分を味わおうよ

2024年7月31日 6:07

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おはようございます。おいかわです。

今夜は珍しく熟睡することができ、悪夢を見ることもありませんでした。

 

きっと気持ち良いお風呂に十分に浸かり、美味しい夕食をたらふく食べたからでしょう。昨日のカツオ、いやぁアレは実に美味しかったですね。日記で確認したらご飯を4杯もおかわりしていたみたいです。

 

さて、身支度して朝食を食べに行きましょう。

パパッとベッドメイキングをして、2本のペットボトルに水を汲みます。

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( ^ω^)おはようございます!

女将さん(後藤さん)「おはようございます!」

後藤さん「もう少しでできますよ〜!」

( ^ω^)了解だお!

 

吉野さん「おはようございます!」

( ^ω^)あ!吉野さんおはようございます!

林さん「おはようございまーす」

( ^ω^)・吉野さん「おはようございます!」

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納豆、キムチ、カボチャの煮物...そのどれを食べても本当に美味しく、手作りの料理だからか、咀嚼し飲み込むと力が体の内側から溢れてきます。

席と炊飯器を往復し、「んめぇんめぇ」と感嘆の声を漏らしながら機械作業のように白米を流し込みました。

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食後の一杯。ホッと一息。

 

( ^ω^)後藤さん、この先に野宿できるスポットとかあったりしますか?

後藤さん「そうねぇ...えーと、平田駅なら人も少ないし、泊まれると思いますよ」

後藤さん「あと、ここと、そこと...」

 

( ^ω^)助かったお!ありがとうございます!

後藤さん「いえいえ!これまでウチに来てくれたお遍路さんの情報を伝言してるだけですからw」

( ^ω^)先人の知恵ってヤツかお... ロマンあるジャマイカwwwww

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炊飯器に残ったご飯をおにぎりにして、バナナと一緒に持たせてくれた。ありがたい。

 

吉野さん「じゃあ、そろそろ僕行ってみます!」

( ^ω^)吉野さんお気をつけて!またどこかで会いましょう!

林さん・後藤さん「行ってらっしゃい!」

 

・・・

 

( ^ω^)(さて...そうしたらワイもぼちぼち出発してみるかお)

( ^ω^)(ずっとここでのんびりしたいけど、そういうワケにもいかないからなぁ...)

 

( ^ω^)後藤さん!ホントにお世話になりました!

後藤さん「えぇ、気をつけて無事結願目指してくださいね!」

( ^ω^)はい!また必ずここに帰ってくるお!

林さん「おいかわさん。そう遠くない未来で、またお会いしましょう!」

( ^ω^)ですね!必ず!

 

( ^ω^)じゃあ行ってきます!

林さん・後藤さん「「行ってらっしゃい!!!」」

 

8:05

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『昨夜から思っていたが、後藤さんは話すのが本当に好きなのがよく伝わり、これまで宿に来たお遍路さんの話や、自分が今こうして仕事ができていることの喜びや感謝を何度も語っていた。(中略)8時くらいに後藤さんと林さんに見送られながら出発する。「また必ず帰ってきます」と後藤さんに握手して伝え、後藤さんは「若者のパワーをもらいます!」と笑顔で手を振ってくれた。林さんとは、「そう遠くない未来でお会いしましょう」と力強く握手をし、別れを告げた』日記より

 

出会いと別れを噛み締め、「またいつか」と心に聞かせるように胸を撫で、力強く出発しました。

今日は39番行きの分岐点まで戻り、そこを西に折れて平田駅まで向かいます。もう少しで、この長かった高知県も終わりです。

 

ずっと痛みと闘ってきたような気がしますが、そんな日々の中にかけがえのない出会いや感動がありました。良いこともあれば悪いこともある。そんな当たり前なことを当たり前なこととして痛感できるって、やっぱりお遍路は素晴らしいと思うの。

 

9:06

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( ^ω^)お、ローソンまで帰ってきたお

( ^ω^)ちょいと休憩するか

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39番の分岐点である、『真念庵(しんねんあん)』まで戻る途中のこの道。暑さにやられてトボトボ歩いていると、前からお遍路さんにしてはやけに多い荷物を背負った旅人が歩いてきました。

軽く挨拶してすれ違った後、何となく後ろを振り返ってみたら、大きなザックの中央に「歩いて日本一周」と書かれた看板がぶら下がっているのを見て、「しまった!」と思いました。

 

急いで彼の元に駆けて行きたかったですが、この暑さと荷物の重みから気力が出ず、どんどん小さくなっていく旅人をただ見つめることしかできませんでした。

面白そうな展開になるチャンスを逃したことに悔やまれます。

 

10:21

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( ^ω^)休憩できるトイレまで戻ってきたお!

( ^ω^)この辺が分岐点だから...あの道を左に進めばいいのかお?

 

10:54

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おじいさんに道を教えてもらい、39番『延光寺(えんこうじ)』行きの分岐点までやってきた。

 

( ^ω^)この道を真っ直ぐ進めばいいのかお

( ^ω^)延光寺まで23km...7時間ってとこか

( ^ω^)うし!頑張るお!

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車通りの少ない、ひどくひっそりとした道を歩きます。

こうも静かだと、いや、静かと言っても蝉の音はうるさいのだけれども、何だか色々と考え込んでしまいますね。

一条さんが僕に提案してくれたことについて、ああでもないこうでもないと思考を巡らせます。

 

11:47

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『道中車通りの少ない道をエイコラ登り、少し寂しさを感じる、いや恐怖か。ただそんな中で、のどかな村が点在しており、綺麗な遍路小屋もあって癒された』日記より

 

(;^ω^)ハァハァ お、こんなところに休憩所があるお

(;^ω^)ちょっと休まさせていただこう

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( ^ω^)スゴい綺麗な休憩所...

( ^ω^)おや?

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( ^ω^)この暑さでくたびれちゃってるけど、花が飾ってあるお!

( ^ω^)あったかい遍路小屋なんだお...!

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ここにも遍路ノートが置いてあり読んでみると、多くの人がこの遍路小屋の居心地の良さについて綴っていました。

今回のお遍路を通して、人の温かさをじんわりと感じる遍路小屋はここが一番だと思います。特別何かがあるというワケではないのですが、綺麗に掃除されていたり花が飾ってあったりと、お遍路さんに対するこのような心遣いがとても温かく感じさせるのでしょう。

 

12:45

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どこまでも伸びる道と、美しい田園風景。日本の夏のど真ん中にいるような気がします。

「のどかだなぁ」とフワフワした気持ちで歩いていたらお腹が減ってきました。日陰を見つけてお昼にしましょうか。

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日陰になっている道の路肩にマットを敷き、ピクニック感覚で昼食にありつく。

 

( ^ω^)梅干しのおにぎり美味いお! ハムッ

( ^ω^)後藤さん...ありがとうだお!

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( ^ω^)何日か前におばあさんに頂いた水羊羹、甘くて美味しいお!

( ^ω^)...誰かに生かされてるなぁ

 

13:40

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トイレで水汲みです。水の残量がピンチだったので助かりました。

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( ^ω^)綺麗な田んぼだお

( ^ω^)頭の中で『summer』と『少年時代』が鳴り止まないおwwwww

 

14:33

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(;^ω^)ゼェハァ... あ、あづい...

(;^ω^)ハァハァ... このやまびこカフェっていう所で休憩しよう...

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(;^ω^)こ、こんにちは〜

おばちゃん「こんにちはー。あ、今ちょっと掃除しちょるから待ってねぇ」

おばちゃん「何にしましょ?」

(;^ω^)アイスコーヒーを...一杯...

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( ^ω^)ありがとうございます!

おばちゃん「この暑いのにようせんわ〜!」

おばちゃん「ま、ゆっくりしちょってください」

( ^ω^)助かるお!

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クーラーの効いた涼しいスペースで、アイスコーヒーをいただきます。

火照った体が外と内の両方から冷やされ、コーヒーの苦味が心地良く感じますね。

チューチュー飲みながら、キッチンの清掃をするおばちゃん達とポツポツ会話をし、束の間の休息を過ごしました。

 

15:23

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カフェで一服した後、今しているこのお遍路について口に出しながら考えていました。

後に考えたことを日記に綴ったのですが、少し長いのでこのブログの最後に原文を載せておきました。興味があれば見てみてください。

 

16:11

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( ^ω^)ほう...ダムか...

( ^ω^)西陽をキラキラと浴びてて綺麗なんだお

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( ^ω^)ブツブツ...

( ^ω^)あれ、家が見えてきたお

( ^ω^)考え事してるとあっという間なんだおw

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現在、何に対しても「ありがたや」と感じてしまうモードに突入。

 

( ^ω^)こんなところにもベンチが...

( ^ω^)別にわざわざ設置する必要もないのに、優しい人がいるんだおね

( ^ω^)ありがたや...

 

17:16

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だいぶ町らしくなってきましたね。そろそろ平田駅に到着です。

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( ^ω^)到着ー!!!

( ^ω^)ここが後藤さんが言ってた平田駅か...

( ^ω^)確かに全然人いないお

( ^ω^)どこかテント張れるところあるかな

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少し歩いた所にローソンがありました。これで食糧調達も大丈夫そうですね。

腹の虫がうるさいので、夕食を買ってしまいましょうか。

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こののり弁がまぁ美味い。1000kcalもあって申し分ない。

 

( ^ω^)ガツガツムシャムシャ!

( ^ω^)んめぇー!

 

18:33

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( ^ω^)さて...あとは体拭いて日記書いて寝るだけだお

( ^ω^)長くも短い、あっと言う間の一日だったお

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( ^ω^)ちょうどテント張れそうな場所があって良かったお!

( ^ω^)って、カメムシの数とんでもないおwwwww

( ^ω^)明日テントがカメムシまみれとかやめておwwwww

 

19:28

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日が沈み、西の空が赤茶に染まります。そして、明日はついに愛媛県に入ります。

愛媛は愛媛でまた大変な道のりが多そうですが、気合いと根性で乗り越えていくしかありませんね。大丈夫、これまでの遍路道を乗り越えてきたのだから、きっと何とかなるでしょう。

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( ^ω^)フワァア...

(  ˘ ω˘ )お疲れ様、ワイ...明日も頑張るお...

 

・・・

 

23日目終了です。以下、日記になります。

 

・・・

 

お遍路について口に出しながら考える。

 

お遍路そのものには意味はなく、我々巡礼者が意味付けすることにこそ価値があるのだと思う。そしてお遍路は自分磨きの究極系だとも思う。

自分磨きには大きく、身体的(筋トレやファッション)、能力的(資格、語学など)、精神的の3つに種別できると考える。お遍路は精神的な自分磨きにおいてこれ以上ないほどに適している。

 

自分の無力さ、一人では何もできない弱さを痛感させられ、日々当たり前だと思っていて気にも留めなかったさまざまなことが実は全く当たり前ではないことであり、尊く素晴らしいことなのだ。帰る家がある、涼しい部屋で寝られる、ベッドで眠れる、温かいご飯が食べられる、お風呂に入れる、清潔な服を着られる、その全てが決して当たり前ではない。

 

日本一周でも感じたことを、改めて痛感させてくれた。

お遍路は見る景色が低くなり、小さな出来事でも困難に感じ、また大きな喜びや感謝に繋がる。人間が階段を一歩乗り越えるのは容易だが、小さな虫にとってはそれは大きく高い崖なのだ。

 

そしてさまざまなものに感謝し、今日までお遍路ができる。

お遍路だけではなく生きてこれるのも、これまで見えるもの見えないものに数多く助けられたからだと実感した。

 

日々日常を過ごしていると、一人で生きていくのなんて簡単、一人で生きたい、と願うことがあるかもしれない。しかし、実際は気づいていないだけで、数えきれないほど多くの人やモノに支えられているのだ。

 

お遍路は、そういうことに気づかせてくれる。

物事は他の角度や深さからでも見ることのできるきっかけをくれる。ただあくまできっかけであり、気づくか、また気づこうと努力するかはその人次第で決まる。

 

だからお遍路をしても何も変わらない人もいれば、人生観がひっくり返るほどの経験をする人もいるのだと思う。これは人生でも同じことが言えるのではないか?

僕が思うに、「人生経験が豊富に見える人」や「思慮深い人」は、物事を多面的に、深く見ている、または見ようとしている人なのではないだろうか。

 

お遍路にも人生にも、それ自体をすること、生きることには何の意味もない。

その中で色々な「気づくためのきっかけ」を見つけ、気づこうとする姿勢にこそ本当の価値があり、お遍路や人生を意味付けするためのヒントが隠されていると思う。

 

お遍路はそういう気づくためのセンサーを敏感にし、気づくためのイベントを与えてくれる素晴らしいものだと、平田駅までの道のりで考えていた。お遍路22日目終了。旅も折り返しである。

 

・・・

 

今読み返してみて、チョーーーフツーで当たり前のことを、何を大真面目に語っとんのじゃワレェと思いました。

B6の日記帳にびっしりと思想が書き連ねてあって、自分ながらにちょっとイタいなと感じてしまうほどです。「興奮してるとこワリィけど、まぁ落ち着けよ」と言いたくなりますね。

 

まぁでも当時の僕の肩を持つとするならば、そんなごくごくフツーで当たり前過ぎることを「当たり前だ」と自分の言葉で説明できるような体験をしたことには、大きな価値があると思います。

「人に感謝をしましょう」という小学生でも知っている当たり前を、自分の心身を痛めつけ極限まで追い込んだ先で、「あ、やっぱり人に感謝をした方がいい」と心と体で覚えることは、ただの知識として脳に入れておくより何倍も良いに決まってます。

 

なにもお遍路は、普段生活していたら絶対に知ることのできない知恵や力を与えてくれるワケではないと思うのです。

月並みで至極当然で、これまで幾度となく言われ続けてきたことを、お遍路という経験を通じて痛感させ、気づかせ、体得させるためのものだと思います。

 

まぁこの辺りのことは、本シリーズが終わった後にでもゆっくり綴るとしましょうか。

しかし文字に起こすと、伝えたいことがとてもチープなものになってしまうのですね。

 

それでは次回のブログでお会いしましょう。ではまた。

 

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