2024年7月30日 5:10

おはようございます。おいかわです。
昨夜暑くて起きてしまい、気晴らしにテントから出てみました。
やけに空が明るく感じたので、はてと思い首を曲げて見上げてみました。
するとそこには、水晶を叩き割ったかのような空が一面に広がっていて、大小様々なガラス片は、その眩い光を燦然と放っていました。
空という名の大地に埋まる宝石のようでした。
互いの光に呼応するようにチカチカと輝きを変化させ、一夜の宴を楽しんでいるかのようです。
写真に収めようとレンズを天に向けましたが、僕の瞳が捉える10分の1にも満たない星しか、ディスプレイには写りませんでした。
そうやって写真に残そうと奮闘している自分がひどく滑稽に思えてきたので、早々に撮影を諦め、しばしの間星々のショーをいちオーディエンスとして楽しみました。

( ^ω^)いよいよ足摺岬か...
( ^ω^)天気良好!足も問題ナシ!いけるお!

( ^ω^)よーし出発だお!
( ^ω^)ありがとう以布利!行ってきます!
5:46

エモーショナルな朝の幕開けです。
朝日で伸びる自分の影を見つめながら、今日も元気良く頑張っていきます。

( ^ω^)ぬわっ!すごい猫密度だお!
( ^ω^)二の四の六の八の...
( ^ω^)10匹くらいいるおwwwww
( ^ω^)猫パーティだおwwwww
6:25

自分が着いたと同時に、ここを去る歩き遍路さんを見かけた。
( ^ω^)ローソン着いたお!
( ^ω^)さて、朝食と昼食分を買わないとだお

( ^ω^)うめぇー! ハムッ
( ^ω^)ご飯も食べたし、あとは歩くだけだお!

この道を左に曲がれば、ここから20km弱の足摺ロードが始まります。
お寺に着くまで4、5時間ってとこでしょうか。そこから民宿まで戻らないといけないので、今日は10時間くらい歩き続けるのを覚悟しないとですね。

見覚えのある景色です。足摺岬の難易度はそこそこキツいと記憶していますが、自転車と歩きでどこまで違ってくるのか、この体で試してみましょう。

( ^ω^)実にのんびりしてるお
( ^ω^)今は平坦な道だけど、坂ばっか登らされてたような...
( ^ω^)ま!行けばきっとわかるお!

( ^ω^)んー!海沿い最高だお!
( ^ω^)ちょうどよく陰ってて気持ち良いお!

海沿いの道を折れ、傾斜のある山道を進んでいきます。
やかましい蝉の声がジャオジャオと鼓膜を震わせ、湿気を帯びた熱気が体をもわっと包み込みます。
勾配は確かにありますが、自転車で登った時よりは随分とラクに歩けます。この調子でお願いしますよ旦那。
7:43

(;^ω^)あっちぃなぁ... ミーンミンミン
(;^ω^)この橋渡ると、確かトンネルがあるんじゃなかったっけか

( ^ω^)ビンゴ!
( ^ω^)ワイの記憶力も舐めたもんじゃないおwwwww
( ^ω^)いやぁ涼しい!最高だおwwwww

トンネルを歩き切ると、再び海の景色が広がってきました。
陽光に照らされた海はその青の濃淡を波の動きによって変え、一刻ごとに異なる顔を見せました。

『お兄さんとは軽く挨拶したぐらいだったが、声色がとても優しく落ち着いていて、人柄の良さが滲み出ていた』日記より
( ^ω^)ふぅ、一旦休憩...
( ^ω^)あ、ローソンで見かけたお遍路さんだ!こんにちは!
お兄さん「こんにちは!」
お兄さん「今日は暑いですね。お互い気をつけて参りましょう!」
( ^ω^)あ...ハイ!ご安全に!
( ^ω^)カッケーお遍路さんだったお...
( ^ω^)歳は20〜30くらいかな。今まで会ってきた中で一番若い人だったお
8:25

( ^ω^)ウヒョー!またトンネルだお!
( ^ω^)ってあれ、お遍路さんが前から歩いてくるお
( ^ω^)こんにち...って、あ!
お爺さん「あれ、あなた前に会った新聞の方!」
( ^ω^)また会いましたねwwwww
27番『神峯寺』の帰りの下り道でお会いしたお爺さんとバッタリお会いしました。
ブログには書いていませんでしたが、この方と最初にお会いしたのは室戸岬の途中にある『御厨人窟』だったのです。その時は軽い挨拶程度だったのですが、かれこれ3度目の出会いになるので、お互い打ち解け合うのに時間はかかりませんでした。
( ^ω^)あ!じゃあもう足摺岬は行かれたんですね!
お爺さん「そうです!これから39番を目指して歩きます!」
( ^ω^)いやぁ、この暑い中でお互いホントよくやりますよねw
お爺さん「ですねぇw 熱中症気をつけましょ!」
( ^ω^)はい!お気をつけて!
お爺さん「お気をつけて!またどこかで会いましょ!」
( ^ω^)...素敵な出会いだったお
( ^ω^)また会えないかな、お爺さん
9:23

( ^ω^)でっかい遍路小屋だおwwwww
( ^ω^)どれ、遍路ノート見てみようかね ペラペラ
( ^ω^)みんな頑張ってるなぁ

そんな調子で歩いていると、足摺岬まであと2kmというところまで来ました。
いよいよ到着ですね。ここまで本当に長かったです。足摺岬がどれほど果てにある場所なのか、ぜひ一度地図アプリでどこにあるか見てみてください。

( ^ω^)この青看板!めちゃくちゃ見覚えあるお!
( ^ω^)ここから町に入ってちょこちょこ歩けば到着のハズだお!

( ^ω^)懐かしいお!
(;^ω^)そしてとんでもなく暑いお!

( ^ω^)そうそう、足湯あったんだよなここ
( ^ω^)ハッ てことは、もう目的地も近いハズ...!

( ^ω^)この道...この道を抜ければ、ついに...!
( ^ω^)おぉおおおお!!!
四国八十八箇所霊場巡礼
第三十八番霊場:金剛福寺(こんごうふくじ)
38/88
10:12

( ^ω^)着いたぁあああ!!!
( ^ω^)長かったお!!!

( ^ω^)立派な仁王門ジャマイカ!!!
( ^ω^)それじゃあ久々の参拝タイムと行こうか!

かなり手が入ってある広々した境内です。観光地だからこんなに綺麗なのでしょうか。

境内に入ると、まず弘法大師がお出迎えしてくれました。
当たり前なんですけど、大変なお寺ほど着いた時に「ここまで来たのか...」と驚嘆してしまいます。

立派な池が眼下に広がり、大師堂へ続く橋が架けられています。

( ^ω^)金剛福寺...実に達成感のあるお寺だったお
( ^ω^)さて、そうしたら足摺岬の方にも顔を出しておこうかな
〜おいかわ思い出の地〜
第八番
『足摺岬』

( ^ω^)懐かしいお...
( ^ω^)歩いてここまで来れるんだおね
( ^ω^)そりゃ歩いていればいずれ着くんだけど、でも何か感慨深いものがあるお

( ^ω^)せっかく来たし、2年前と同じように灯台を拝んでおくか
( ^ω^)そうそう、こんな感じの道だったお
10:45

( ^ω^)・・・
( ^ω^)まぁ、なんてことないフツーの灯台だおね

( ^ω^)海青うぃwwwww
( ^ω^)青っていうか、こりゃもうサファイアブルーだおwwwww

日本一周の岬巡りでは、こんな調子で日本の果ての地に足を踏み入れたんですよね。
あれはあれで大変でしたが、今の方が全然キツいです。
この道また歩いて帰らないといけないんですか。嘘だと言ってよ。

ねこ が あらわれた!
( ^ω^)さぁてと、そろぼちお昼にしようかね
猫「ニャー」
( ^ω^)な、なんと可愛い...

猫「ニャー」
( ^ω^)なんだお、目の前に来て

猫「ニャー」
( ^ω^)何見てるんだお

猫「ニャー」
(;^ω^)や、やらんぞ!おにぎりはワイの貴重なお昼だお!
猫「ニャー」
(;^ω^)ダメだお!やめろっ!そんな目で見るな!そんな声で鳴くな!
11:16

猫にまじまじと見つめられながら、何とかお昼を食べ終えました。
ここから5時間くらい歩けば、温かいお風呂とベッドとご馳走が待っています。
12:16

(;^ω^)ハァハァ... 暑くて敵わんお...
(;^ω^)なんと素晴らしいところに休憩所が...
(;^ω^)ゼェハァ... ありがたく休まさせていただくお

( ^ω^)プハー! 生き返るぅ!
( ^ω^)コーラなくして結願あらずだお!

( ^ω^)体力も回復したし、この調子で頑張るお!
(;^ω^)う゛っ...!日陰が辛い... ミーンミンミン
12:54

汗をボタボタ垂らしながら歩いていると、道脇に「へんろ小屋」と書かれた施設を見つけました。
目の前のテーブルには飴やお菓子がお接待として置いてあります。遍路小屋というよりは、1つの居住空間のように思えます。

( ^ω^)洗濯機に水道...
( ^ω^)人はいないみたいだけど、誰かが管理してるのかお?

( ^ω^)これは...ベッドかお?
( ^ω^)スゴい快適な遍路小屋ジャマイカwwwww

( ^ω^)ここ、いわゆる「善根宿」ってやつだお!
( ^ω^)今でもこういうのあるのかお!

その後宿主の方にお会いして、飴玉をいただきました。
話には聞いていましたが、ちゃんと機能している善根宿は初めて見ました。
いったいどういう経緯で善根宿をしているのが気になりましたが、聞くのを忘れてしまったのが悔やまれます。
13:35

アスファルトのオーブンに体を蝕まれ、ジンジンと照りつける日差しが生気を奪います。
一本道なので見る必要もない地図を逐一開き、気の遠くなるほど長い道のりが一ミリ短くなったのを確認すると、その果てしなさに肺がぺったんこになるくらい空気を吐き出し溜息をつきます。
13:43

ここは「窪津港(くぼつこう)」。休んでいるとサラリーマン風のおっちゃんに声をかけられた。
トボトボ山道を歩いていると、ターコイズブルーの港が見えてきました。
日を浴びて白く発光した船が、穏やかに波打つ海の揺らぎに合わせて浮遊しています。あそこの停留所の近くで少し休憩しましょうか。

( ^ω^)早く宿に着ければ、その分長く体を休めるから急いで帰るお!
(;^ω^)ぐぬぬ...しかし足が痛いお...

(;^ω^)あそこに見える岸が以布利かお?
(;^ω^)まだ随分と距離があるお...
14:35

海沿いの道から林道に変わっていきます。
行きと帰りで違う道を歩いているため飽きはしないのですが、全く人気のない道なので多少不安になってきます。
というのも、この遍路道では山道に誘う看板が立っていたのですが、現状の足と膝を鑑みスルーしたために、現在は遍路道ではない道を歩いています。
なので、今歩いている道が目的地にちゃんと繋がっているかわからないのです。
木々のざわめきや蝉の声が、かえって恐怖を煽りました。

(;^ω^)こ、この道でホントに合ってるのかお?
(;^ω^)一台も車が通らないし、地元の人も使ってない道なのかお?
(;^ω^)んー...不安だけど、歩くしかないよな...
15:01

( ^ω^)あぁっ!遍路シール!
( ^ω^)良かったぁ...遍路道に繋がってたお...

( ^ω^)手作り感満載の看板だお
( ^ω^)どれだけ変な道だったとしても、こういう看板があれば安心して歩けるんだおw

林道を抜けると、人の息がかかった生活道路が先ほどまで抱えていた不安をすっと取り除いてくれました。
30分程度の道でしたが、終わりがわからないととても長く感じるものですね。

ようやっと分岐点まで戻ってきました。
行きは右に進み、帰りは左から帰ってきます。
片道15kmほどでしょうか。およそ8時間で一周です。
15:20

( ^ω^)以布利港まで帰ってきたおー! ジンジン
(;^ω^)うぅ...足裏が痛いお...

( ^ω^)この場所から今日が始まったんだお
( ^ω^)色んな場所で野宿してきたけど、ここはなかなか素晴らしい場所だったお

悲鳴を上げる足裏を労っていると、職員の方が「水道好きに使ってもらって大丈夫ですよ」と声をかけてくれました。
ちょうど水もなくなりかけていたので、ありがたい限りです。

( ^ω^)よし!水も補給できたし、出発するか!
( ^ω^)民宿まであと少し!頑張るお!

お遍路中に撮影する全ての写真は、後にこうしてブログで使用するために撮っています。
ブログを書く上で、撮影した写真と日記を頼りに記憶を呼び起こすのですが、たまにこのように自分の足を撮ることがあります。
メタ的なことですが、僕が自分の足を撮る時は、足の痛みがピークに達した時、つまり限界の時だけ撮影します。
「今めちゃめちゃ苦しんでるから、この感情をブログの時に強調してねー!」といった具合に、ブログを書く未来の自分に向けて伝えてるワケです。
痛みや苦しみこそブログのネタになると思ってるあたり、自分でもちょっと引きますね。
16:05

(; ω )ゼェハァ... あ、足が痛いお...
(; ω )ハァハァ... でももう少し...もう少しの辛抱だお...

(; ω )昨日のジャングルゾーンまで来たお...
(;^ω^)ここを抜けて、ちょっとした橋を渡って、それからしばらく歩けばゴールだお
(;^ω^)が、頑張るお!

(;^ω^)ハァハァ ようやくここまで戻って来れたお!
(;^ω^)もうちょっと!もうちょっとだお!
16:52

『足の裏や太もも、ふくらはぎは既に限界を迎えていたが、根性で宿に帰った』日記より
(;^ω^)つ、着いたおー!
(;^ω^)女将さーん!ただいまー! ガラガラ
女将さん「あら〜!おかえりなさい!」
女将さん「はいはい、水でも飲んでくださいな」

全身ボロボロの状態で宿にありつき、いただいた冷たい水を喉に流し込みます。
女将さんの優しい顔を見ると、何だか体の力が抜けるような感じがして、それと同時に誤魔化していた体の痛みがジンジンと内側から強く訴えかけてきました。

( ^ω^)助かりました...ありがとうございます!
女将さん「いえいえ!」
( ^ω^)あ、そういえばワイ以外に今日泊まる人っていますか?
女将さん「いますよ!今のところ2人ですかね」
( ^ω^)おぉー!そうなのかお!
女将さん「どちらも歩きでお遍路しちゅう方で、千葉の方と神奈川の方ですよ」
( ^ω^)へぇ〜そうなのかお...ん?神奈川?
( ^ω^)女将さん、その神奈川の人の名前って聞いても...?
女将さん「えーと、確か...林さん?」
( ^ω^)フフ...フフフ...アハハハハ!
女将さん「?」

宿に泊まれた時のこの安堵感といったらない。
これだから旅は面白いのです。
別れ際、「多分ですけど、またおいかわさんに会う気がするんですよ」と言った林さんの言葉が脳裏に響きます。
こんな偶然がさも当たり前かのように何度も起こってしまうことに、ふつふつと笑いが込み上げてくるのです。

( ^ω^)そしたら風呂に入ろうかな!
( ^ω^)ん?あそこに人が...もう一人の宿泊者かな?
( ^ω^)こんにち...ってあれ!
お爺さん「あれ!あなたさっきの!」
( ^ω^)えぇwwwww またこんな偶然がwwwww
今朝会ったお爺さん(吉野さん)と、まさかの再会です。
吉野さんとは、これで3度目の再会となります。いやはや、本当に旅は面白い。
積もる話は食事の時にでもと挨拶を交わし、お互いニヤニヤしながら別れました。

( ^ω^)林さんに吉野さん... チャプン
( ^ω^)足摺に行けば面白いことが起きると思ったワイの勘は、やっぱり本当だったんだおw
( ^ω^)フフフ... 夕食が楽しみだお
温かい風呂の中で、痛む足や太ももを練るように揉みほぐしていきます。
東京の寮では風呂がなく、代わりにシャワー室が部屋に備え付けられていたために風呂に浸からない日々を過ごしていたのですが、やはり風呂は偉大ですね。
湯船に体を沈めると、痛みや疲労の毒素が湯に溶け出しているように感覚になり、心理的な部分も含めて回復量が段違いです。
18:36

その後林さんとも無事再会。目を真ん丸にして驚く林さんと、ガッチリ握手をして喜び合った。
( ^ω^)う、ウマソスだお...
女将さん「みなさん色んな所でカツオ食べちゅうき、そろそろ飽きてくる頃でしょう」
女将さん「なので今日は、色々アレンジしたカツオ料理にしてみました!」
( ^ω^)・林さん・吉野さん「「「おぉ〜!」」」
( ^ω^)それじゃあ...
( ^ω^)・林さん・吉野さん「「「いただきま〜す!」」」
( ^ω^)ガツガツムシャムシャ!
( ゚ω゚)カッ! う゛まぁあああ!!!!!
ガーリックソースのかかったカツオのたたき、アジの南蛮漬けをはじめとするご馳走に舌鼓を打ち、モリモリと白飯を胃に収めていきます。
吉野さんからビールをいただき、よく飲むよく食べるでお馴染みの僕は、話に花を咲かせつつその手を休めることなく口に運び続けました。
林さん「おいかわさんとはまた会えると思ってたんですよw」
( ^ω^)ホントですねw こんな偶然あるなんて自分でもビックリだおw
吉野さん「え、お二人は知り合いか何かなんですか?」
林さん「旅中に何度かお会いしましてねw 今回で3度目ですw
吉野さん「へぇ!それは凄い...って僕もおいかわさんとそうなんですけどねw」
( ^ω^)こうして皆さんと再会できて嬉しいおwwwww
女将さん「3人のお遍路さんが奇しくも同じ場所で出会う...今日はとてもいい日ですね!」
19:58

←林さん 吉野さん→
林さん、吉野さんと談笑している様子を、遠くから微笑む女将さん。
歳の離れた人たちが「お遍路」という共通の経験を持つことによってその垣根を越え、あっという間に打ち解け合ってしまいます。
日常生活ではなかなか味わうことのできない不思議で温かな時間を、女将さんの淹れてくれたコーヒーを片手にのんびりと過ごしました。
・・・
22日目終了です。
色々書きたいことはあったのですが、ブログでまとめるのが難しかったのでここまでとさせていただきます。
お遍路中に感じたこと、考えたことなどの細かなことは、また別の機会にでもブログにまとめようかなと思います。
それでは次回のブログでお会いしましょう。ではまた。
下のバナーをクリックすると、僕の自尊心がムクムクと肥大化します。
