2024年7月29日 5:16
おはようございます。おいかわです。
朝焼けしたオレンジ色の灯火が雲にぼんやりと埋もれていて、実に幻想的な夜明けになりました。
テントからモゾモゾ出て、慣れた手つきでザックの中に収納していきます。すっかり朝のルーティーンになってきましたね。
5:49
( ^ω^)完全に迷子になりました
( ^ω^)ここどこだお?
( ^ω^)適当に歩いて、誰か見つけたら道を聞いてみるか...
( ^ω^)あ!おはようございます!
おばあさん「おはようございます。あれぇお遍路さんかい」
( ^ω^)すみませんちょっと道を聞きたくて...
おばあさん「はいはい」
( ^ω^)この道に出るのってどうしたらいいですかね
おばあさん「あぁそれならここを抜けて、踏切を渡った先にあるよ」
( ^ω^)そうでしたか!ありがとうございます!
おばあさん「ちょっとお兄さんお待ちなさい」
( ^ω^)ん?はい!
おばあさん「はいコレ。今日も暑いけんど頑張ってなぁ〜」
( ^ω^)い、いいんですか!?お金まで...ホントにありがとうございます...!
( ^ω^)朝からこんなお接待をいただけるなんて...
( ^ω^)おばあさんありがとうだお!今日も頑張るお!
6:15
ローソンで朝ご飯にするとします。
ヘビーパスタを大量に食べると消化不良を起こすので、今日は優しめにいきます。
優しい優しいチョー優しい。
ガツガツ食べてエネルギーチャージします。
( ^ω^)少しずつ髭が伸びてきて、旅人らしくなってきたおw
( ^ω^)旅が終わったらどんな無精髭になってるか楽しみなんだおw
7:35
( ^ω^)道、こっちで合ってるのかお?
( ^ω^)コンパス的には大丈夫だけど...ちょっと様子見てみるか
コンパスと地図を照らし合わせながら歩いていると、スカーっと開けた道が広がってきました。
歩きなのでただただ果てしなく感じますが、自転車やバイクで走ったらさぞ気持ち良いでしょうね。
8:46
『今日は気温が38℃まで上がる予報らしく、熱中症にならないか不安だ』日記より
( ^ω^)『金剛福寺(こんごうふくじ)』まであと40km切ったお!
(;^ω^)いやぁ長い長い! ミーンミンミン
9:22
( ^ω^)四万十川だおー!
( ^ω^)2年前も思ったけど、ホント雄大な川だお...
( ^ω^)またここを歩く日が来ようとは...恐ろしくも幸せだお
僕にとって四万十川は、日本一周の中でも印象に残る思い出の地なのです。
雄大な川を横手に足摺岬へヨイコラと漕いだあの日。野鳥の声が響く森の中を、のんびりとペダルを漕いで愛媛へと向かったあの日。ここに着いた時にマックでアホほど注文して食欲の魔獣を召喚したあの日。
『2年前の記憶が呼び起こされ、岬チャレンジの辛さが思い出される』日記より
そして、「東西南北最突端全十六岬」という日本一周で掲げた目標と、「四国八十八箇所霊場巡礼」という今回の目標で唯一目的地が重なるポイントが、ここから先にある『足摺岬』になります。
この奇妙な偶然に僕は運命的なものを感じていて、足摺に行けば必ず面白いことが起きると確信しています。それが何かはわかりませんが、絶対何か起こります。
9:37
( ^ω^)ようし!それじゃあ出発だお!
(;^ω^)...絶対タイヘンだけど! ミーンミンミン
(;^ω^)この道をずーっと真っ直ぐか...
(;^ω^)自転車で走った時の距離感をぼんやりと覚えてるのが逆にキツイおw
『さぁスタートだ!と勢い良く歩き始めたのはいいものの、夏の暑さと痛みにバテて、うどん屋さんに入ることにした』日記より
「うどん」と書かれた幟がたなびく様を見ていたら、フラフラ〜っと誘われるようににうどん屋に体が吸い寄せられました。
今朝食べた油淋鶏弁当は何処へ。すっからかんの胃袋でいざ入店です。
『クーラーが良く効いていて気持ちが良い。店内も古民家風で、田舎の懐かしさを感じさせる』日記より
( ^ω^)何にしようかな...
( ^ω^)すみません!山かけうどんください!
おばちゃん「は〜い」
店内は横に長い長方形の空間が広がっていて、店の端から端までを繋ぐカウンターテーブルの隅に座ります。
カウンターの向こう側で調理するおばちゃんと息子さんの様子を眺めつつ、焦点を窓の奥に移すと、大きな丘がもこもこと隆起していて自然の豊かさを感じさせます。
この箱の中に身を置いていれば他人事のように見える風景ですが、一度外に出れば「オマエは当事者なんだぞ」と言わんばかりの自然の暴力を受けるのです。
四国のうどんの個人的チャンピオン。
( ^ω^)ウマソスだお...
( ^ω^)それじゃあいただきます! ズルルッ!
( ゚ω゚)こりゃ美味いお!!!
あっさりとした優しい口当たりの出汁が、ふわもちな麺と絡みとても美味しいです。
とろろ昆布がまた良いアクセントになっていて、昆布の香りが鼻にぶわっと抜けて深い味わいになります。
サービスでいただいた食後のアイスコーヒー。
( ^ω^)ご馳走様でした!コーヒーも美味しかったお!
おばちゃん「暑いけんど、頑張ってくださいね」
( ^ω^)はい!
おじさん「良かったら飲み物持って行ってください!」
( ^ω^)えっ!いいのかお!色々とホントにありがとうございます!
10:49
クーラーの冷気とアイスコーヒーで良いクールダウンとなったので、この回復した体で頑張って歩いていきます。
しっかし本当に大変な暑さです。オゾン層に穴でも空いてるんじゃないかな。
(;^ω^)あっちぃお... ミーンミンミン
(;^ω^)これでまだ7月なんだよな...8月とか暑すぎて死んじゃうお...
11:43
( ^ω^)トンネルだお!
( ^ω^)日陰へ避難だッ!
夏を生きるお遍路さんにとって、トンネルは天国だと思いますね。
ひんやりとした冷気が火照った体を包み込み、熱を奪い取ってくれます。
しかもこのトンネル相当に長いので、大声で歌を歌ってリフレッシュです。
( ^ω^)あの頃はぁ〜♪ なにぃもなぁあくてぇ〜♪
( ^ω^)そぉれぇえだぁあって〜♪ たぁのぅしくぅやぁあったよぉ〜♪
( ^ω^)メェロォディ〜♪ 泣ぁかなぁいでぇ〜♪
12:16
( ^ω^)あれ、このオブジェ見覚えあるお!
( ^ω^)このトイレも!
( ^ω^)トイレの前に休憩スペースあるし、ちょっと休んでいくかお
・・・
14:07
このローソンにも見覚えがあります。
記憶が芋づる式にボコボコと掘り起こされて、足摺岬への道のりが輪郭を帯びてきました。
ビカーっと強い日差しを直に浴びながら弁当を食べます。
暑さで味覚が正常に機能しないような気がしますが、気にしたらダメです。
すっかりハマってしまったガリガリ君。
体を冷却しつつ、不足した糖分を速やかに補給できるスーパーフードを頬張ります。
14:54
外国人のお遍路さんが颯爽と僕を抜かしていった。競歩くらい速かった。
(; ω )ハァハァ あっちぃお...
(; ω )足も痛くなってきたし、もう歩きたくないお...
(; ω )ゼェハァ で、でも頑張らないと...
16:03
(; ω )ゼェハァ... つ、着いんたんだお...
(;^ω^)こ、こんにちは! ガラガラ
足摺岬へ行く道中は、スーパーやコンビニなどの食料調達できる場所が乏しいためこちらの宿に泊まろうかと電話をかけたのですが、今日は立て込んでいるので宿泊は難しいと言われてしまいました。
ただ明日なら大丈夫とのことで、宿の前を通りかかったら一度来てほしいと電話で伝えられました。
言っていませんでしたが、歩き遍路における足摺岬までのルートは様々あり、僕の場合は同じ道を行って帰ってくるルートを選択したので、金剛福寺まで行ったら昼間に見かけた休憩できるトイレまで戻ることになります。
そのため、この宿も帰りにまた来ることになるのです。
( ^ω^)あ!こんにちは!
女将さん「電話してくれた人ですね、ここまでご苦労様です」
女将さん「まぁアイスコーヒーでも飲んでください!」
( ^ω^)え!ありがとうございます! ゴクゴク
( ^ω^)プハー! 冷たくて生き返るお!
女将さん「明日足摺岬に行ってウチに来るなら、荷物ここに置いていってもらってええですよ」
( ^ω^)えっ、今日泊まらないのにいいんですか?
女将さん「そのくらい全然大丈夫ですよw それに今日は誰もここに来んですから」
( ^ω^)じゃ、じゃあお言葉に甘えて...ありがとうございます!
カチコチのバナナをいただいた。溶けるとねっちりとした食感で大変美味しい。
女将さん「この先に港があって、そこで野宿できると思いますよ!」
( ^ω^)そうなのかお!
女将さん「シャワーも使えたと思うので、今夜はそこで泊まって明日また来てください」
( ^ω^)了解だお!ありがとうございます!
女将さん「酢の物と鯛の塩焼きです。今夜の足しにでもしてください!」
( ^ω^)えぇ!いただいていいのかお!
( ^ω^)何から何までありがとうございます!
女将さん「いえいえ、私も色々な人に助けられているのでw」
( ^ω^)ジーン 女将さん...
17:04
雨具や電子機器など少々の荷物を預け、女将さんに感謝を伝えて宿を去りました。
その時女将さんは、僕の姿が見えなくなるまでずっと手を振り続け、微笑んでくれました。
見送ってくれる女将さんに僕も何度も手を振り返し、その度に女将さんが放った言葉が頭の中で繰り返されました。
「色んな人に、モノに、見えないものにさえも、私はずっと助けれられています。私が今こうして仕事ができるのは、そのものたちのお陰であり、それが何よりも嬉しく、有り難く、これほど感謝できるものはありません」
「お遍路は色々なことを教えてくれます。だからあなたのような若い人こそ、お遍路をしてほしいのです」
( ^ω^)お遍路は色々なものを教えてくれる、か...
( ^ω^)焼山寺に行く途中にあった『何かをのこせ』っていう文言は、お遍路で得られる学びのことを指してるのかもしれないおね
( ^ω^)この旅を通して、ワイは何かを学び、何かを教えられるのだろうか...
17:19
( ^ω^)ウヒョー!こんなところ通るのかお!
( ^ω^)なかなか良い遍路道ジャマイカwwwww
( ^ω^)フフフ... ワイの影が揺らめいているお...
( ^ω^)道が森の中へと続いているお
( ^ω^)こっちかお?
浜辺から一転、木々が生い茂る森の中へと景観が変わりました。
ここは遊歩道でしょうか。人の気配はありませんが、時折植物の名が記された看板が立っています。
湿度が非常に高く、まるでジャングルの中を歩いているかのようです。
この木々が湿気をドームのように包み込んでいるのでしょうか。
しかし暑さと湿気を除けば、ここは落ち葉の地面がフカフカで歩きやすく日差しも遮られているので、焼けるような暑さを感じなくて良いですね。
( ^ω^)どんどん道がジャングルになってくるお...
( ^ω^)これ、ちゃんと着けるおね?
17:54
( ^ω^)足摺岬まであと20kmを切ったお
( ^ω^)果てしなく思えた道のりも、いつかはちゃんと着くんだおね
( ^ω^)もう忘れてしまったけど、日本一周の時もこんな気持ちになったのかな
18:16
( ^ω^)民家が見えてきたお
( ^ω^)もう少しで今日の目的地だお!
以布利(いぶり)と呼ばれる港町を歩きます。
自転車では通ろうと思わない限り、スルーしてしまうであろう地元の生活道路。
学校や郵便局、交番などが地図に載っているのを見て、実際に歩いて照らし合わせてみると、ここにも人がちゃんと住んでいて、文化があって、日々の日常を過ごしているのだなと思わされます。
小さな発見の連続で、遍路道は飽きませんね。もっとも、油断しているとすぐに迷って遍路道ではない”道”を歩かされてしまうのですが。
18:28
( ^ω^)着いたおー!
( ^ω^)あ!こんにちは!
おばちゃん達「あら〜お遍路さんご苦労様やね〜」
( ^ω^)あのう、今日一日だけここで野宿してもよろしいですかね
おばちゃん達「ええんちゃうん?ここはトイレもあるやき、好きに使うたらええがね」
( ^ω^)ホントかお!ありがとうございます!
おばちゃん達「ほな頑張ってな〜!」
( ^ω^)なんて素晴らしい野宿場所なんだお!
( ^ω^)ここなら雨風も凌げるし、何一つ文句ないお!
( ^ω^)くぅー!シャワーも使えるしありがたすぎるおwwwww
( ^ω^)ジャー フンフフンフン♪
ゆったりと流れる時に身を預け、テントを張る手を止めてみると、五感が研ぎ澄まされ、自分の感覚が鋭くなるのがわかりました。
野鳥の柔らかい声がどこからか聞こえ、静かに波打つ海が夕日によって淡く煌めいています。潮風の匂いが鼻腔をかすかに撫で、自分がこの空気と、町と混ざり合うような、そんな感覚になりました。
野宿は独りぼっちの時が多いです。時に寂しいこともあります。
でもこうして孤独を味わい、それを受け入れると、見えない多くのものが自分を優しく包み込んでくれているように感じ、それがとても愛おしく、尊く思えてくるのです。
自分は今日も誰かに生かされている。それは肉体だけでなく、精神も。
普段過ごしていると、感じも、考えもしないことが、この有り余るほどの時間と、孤独と、困難を強いられるお遍路では、何かを気づかせるためのきっかけとして与えられているような気がします。
このじわ〜と温かく広がる不思議な感覚。心の奥底で、とても微弱に感じ取れる何か。思うに「悟る」とは、この感覚が完全に開いたことを言うのかもしれませんね。
19:17
( ^ω^)鯛ウマっ! ハムッ
( ^ω^)今日泊まるワケでもないのに、女将さん何でこんなに良くしてくれるのかお
( ^ω^)明日会ったら、ちゃんとお礼を言おう
20:43
最近は暑すぎてパンツ一丁で寝てる。外からは多分丸見えだけど、恥はとうの昔に捨ててしまった。
( ^ω^)フワァ~ 明日は足摺岬...
( ^ω^)そこに行けば、きっと何かが起こる気がするお...
( ˘ ω˘ )ワイの勘は、よく当たる... zzz...
・・・
21日目終了です。
それでは次回のブログでお会いしましょう。ではまた。