2024年8月4日 5:26
『暑いけど、まぁ頑張れば何とか眠れるくらいの、そんな暑さの中起床』日記より
おはようございます。おいかわです。
さて本日は、『歯長峠(はながとうげ)』という名前からしてヤバそうな峠を越えていこうと思います。名前だけでこんなに登る気の失せる峠も珍しいですね。
撤収の様子です。こういう机が置いてあるだけで撤収がかなり楽になります。
そうして全ての荷物をパッキングし終えると、「今日が始まるんだな」と冒険の始まり感を味わえるので結構好きな時間だったりします。
些細なことにも楽しみを見出すことは、単調な旅を面白くするためのテクニックの一つなのかもしれません。
( ^ω^)出発前にローソンで朝ごはんを買おう
( ^ω^)東の空が明るくなってきたお。そろそろ日の出かな?
5:42
( ^ω^)ポケー
( ^ω^)良い朝だお...
( ^ω^)ハムッ モグモグ... ゴクッ
( ^ω^)うし!出発だお!
6:13
軽快なケルト曲が流れてきそうなほど美しく勇ましい旅立ちの朝です。
まず目指すは避けて通れぬ歯長峠の頂。ここを乗り越えないことには結願は難しいでしょう。
自分なりに起こる出来事を演出するのも、旅を楽しむテクニック。今の気分は勇者です。
( ^ω^)やってやるぜ...
( ^ω^)これまで数多くの峠を乗り越えてきたんだ...
( ^ω^)大丈夫...ワイならきっと大丈夫...
おじさん「おはようー!この暑いのにエラいわ!」
( ^ω^)おはようございます!今日は頑張りますよ!
おじさん「この辺まむしがよう出るけん、噛まれたら搬送されるから気ぃつけてな!」
(;^ω^)え゛っ...
おじさん脅かさないでよ。こちとら短パンしか持ってないんだからさ。
昨日参拝した仏木寺の前まで来ました。
ここからさらに先に進み、途中の脇道をトコトコ歩けば歯長峠の登り口です。
7:01
いつもの看板が見えてきました。
経験上、峠の登り坂は1〜2kmくらいの長さが一般的なので、頂上まで3kmだとするとあと1kmくらいは平坦な道が続くと予想できます。
この1kmで腹を決めましょう。あと20分もすれば地獄の始まりです。
なかなか面白い道を歩かせるじゃないの。
( ^ω^)あの丘か?それともあの丘を登るのか...?
(;^ω^)うぅ...絶対キツいってわかってる場所に行くの苦しいお...
(;^ω^)それでも行かないとなぁ...
柔らかな朝日のベールが丘を包み込むように覆っている。
(;^ω^)何が嫌かって、登り坂もそうだけど虫なんだお
(;^ω^)アブ、メマトイ、それとマムシ...
(;^ω^)ただ血を吸ってくる蚊と違ってタチが悪すぎるんだお...
むちゃくちゃ脅かしてくる。えぇい!ままよ!
ブツブツ弱音を吐いていたら、ついに歯長峠の登り口まで来てしまいました。
もう腹決めて行くしかありません。もしアブかマムシに噛まれたら、その時はその時です。
(;^ω^)よ、よし!
(;^ω^)おぉー!!!やってやるおー!!!
7:22
( ^ω^)...お?岩だらけの道かと思いきや、意外にもちゃんと舗装してあるお
( ^ω^)ひょっとして、このまま行けるんじゃ...?
( ^ω^)...プッ
( ^ω^)なぁんだおwwwww 全然余裕ジャマイカwwwww
( ^ω^)とんだ見掛け倒しだったおwwwww ではこのまま行かせていたd
土砂崩れの影響で道がえぐり取られている。
( ^ω^)ゑ?
( ^ω^)嘘だと言ってクレメンス...
とはいえ、どなたか親切な人がハシゴでルート開拓してくれたおかげで、ちょっぴり怖くも安全に迂回することができました。
時にお遍路はスリル満点な道が用意されてるってことですね。プレイヤーを飽きさせない要素が散りばめられていて、ホントよくできたゲームです。
( ^ω^)お、こんなところに亀だお
( ^ω^)キョロキョロ この辺に水辺でもあるのかお?
7:37
一旦アスファルトの道に出ました。この後また山道に入るようです。
(#^ω^)ぬわぁああ!メマトイがしつこいんだお! プーン
(#^ω^)くそっ!払っても払っても顔の周りに...うがぁああ!!!
(#^ω^)山道は精神攻撃が多すぎるお!削るのは体力だけにしてくれお!
途中に休憩エリアがありました。が、メマトイやアブたちによって休憩はお預けみたいです。
お遍路中に度々見かける詩をまた見つけました。
巡礼者に対して何かを気づかせようと、何度も何度も繰り返し訴えかけているように感じます。
仏様のささやき
『お前はお前で丁度よい 顔も体も名前も姓も お前にそれは丁度よい 貧も冨も親も子も 息子の嫁もその孫も それはお前に丁度よい 幸も不幸も喜びも 悲しみさえも丁度よい 歩いたお前の人生は 悪くもなければ良くもない お前にとって丁度よい 地獄へ行こうと極楽へ行こうと 行ったところが丁度よい うぬぼれる必要もなく 卑下する必要もなく 上もなければ下もない 死ぬ日さえも丁度よい お大師様と二人連れの人生 丁度よくないはずがない すべて仏様 お大師様におまかせ 有難や 有難や』
( ^ω^)丁度よい...そんなので良いのかお...?
( ^ω^)悪くなければ良くもないのかぁ...
( ^ω^)せっかく生きているなら「とてもよい」でありたいものだけど...
( ^ω^)この「丁度」というのが、真にいいことなんだろうけど、うーん...
8:04
それから汗を垂らしながら登り続け、歯長峠の頂に到達しました。
標高は500mほど。眼下に広がる山々が美しいですね。
山頂は少し開けていて、雑草を刈り取る人たちが数人いました。
ボランティアの方達でしょうか。道を綺麗にしてくれて本当にありがたい限りです。
作業をしている方に「祠に入ってみては」と勧められたので、少し覗いてみることに。
( ^ω^)かつてこの道は生活道路として賑わってたのか...信じられないおね
( ^ω^)歯長峠の名前の由来は「歯が長かったから」って、まんま過ぎるおwwwww
作業員のおじさんにアクエリアスをいただいた。ありがたい...!
おじさん「この道を下れば麓に行けるけん、気ぃつけてください!」
( ^ω^)ありがとうございます!行ってきます!
『途中、アブに体の周りをグルグルと回られ続け、怖い思いをしながら全速力で下山した』日記より
。゚(゚^ω^)゚。 ギャアァァァァァアアアアア!!!!! ブーンブーン
。゚(゚^ω^)゚。アブ勘弁してくれお!!!怖過ぎるお!!! ブーン
。゚(゚^ω^)゚。 怖い!怖い!怖ぃいいい!!! ブーン
8:55
『アブのしつこさには参ると思うと同時に、自分のメンタルがこんなに小さな生き物の存在ひとつで上下させられることの弱さを痛感させられた』日記より
(; ω )じ、地獄を見たお...
(;^ω^)もうアブはたくさんだお!
( ^ω^)ちょうどいいところに東家が!
( ^ω^)アブに追いかけられて全然休憩できなかったから、ちょっと休ませてもらうお
( ^ω^)チラッ 向かいにあるの、ぶどう直売所かお?
( ^ω^)山頂で会ったおじさんが美味しいって言ってたっけ
( ^ω^)ぶどうなんて、しばらく食べてない気がするお
おばあちゃん「お遍路さ〜ん、こんにちは〜」
( ^ω^)あ、こんにちは!
おばあちゃん「そこでたくさん買ったけん、良かったら持ってって」
( ; ゚ω゚)えっ!?こんなにいいんですか!?
おばあちゃん「かまへんよ〜。暑いけん気ぃつけて頑張ってください」
( ^ω^)あ、ありがとうございます!
( ^ω^)ま、マジかお...
( ^ω^)パクッ
。゚(゚^ω^)゚。 うめぇぇぇ...
険しい峠を越えたら素敵な道がお出迎え。
甘酸っぱくてジューシーなぶどうの果汁が、一粒噛むごとに口内スプラッシュします。水分補給にも打ってつけですね。
それにこのポイポイ口に放り込める手軽さがちょうどいいです。歩き遍路のお供として大変優秀であります。
( ^ω^)ヒョイッ
( ^ω^)ヒョイッ
( ^ω^)ヒョイッ
( ^ω^)やめられないとまらないんだおwwwww ヒョイッ
9:43
道の脇にぶどう農園を見つけました。
後で調べてわかったのですが、ぶどうの旬のピークって8月なんですね。良い時期にここを通れて良かったです。
( ^ω^)ここにもぶどうの直売所があるお
( ^ω^)ぶどう狩りとかもあるんだろうか...
直売所のお姉さん「あ!そこのお遍路さーん!ちょっと待ってください!」
( ^ω^)え、あ、ハイ!
お姉さん「これ良かったら食べてください!」
(;^ω^)えぇっ!?い、いいんですか!?
お姉さん「はい!頑張ってください!」
( ^ω^)あ、ありがとうございます!いただきます!
甘くて食べれる宝石。向こう2、3年くらいの量のぶどうを食べた気がする。
こんな旅人に親切にしてくれて本当にありがたい限りです。
お遍路を始めた日から今日に至るまで誰かに助けてもらいっぱなしで、自分一人の力でここまで来ることはできなかったと改めて思いますね。
自分の非力さを痛感すると同時に、人の温かさを、多くの助けがあることをこれでもかというほど感じることができます。
まったくお遍路というものは、どこまで人の心を柔らかくしてくれるんでしょうか。
10:21
しばらく歩いていると道の駅らしき建物が見えてきました。
何が売っているのか、ぐるっと一周してみることにします。
かなり多くの人で賑わっている。そうか、今日は日曜日だったな。
( ^ω^)地域の人で賑わってる場所ってなんか良いおw
( ^ω^)ん?あそこに人が溜まっているけど、何があるんだお?
( ゚ω゚)こ、ここにもぶどうが!
( ^ω^)大人気ジャマイカwwwww
・・・
( ^ω^)さて、向かいにあったうどん屋さんで早めの昼食にしようかね
( ^ω^)えーと...営業は10時半からか
( ^ω^)お!ちょうど営業時間だお!
( ^ω^)今日はツいてるおwwwww
とんでもないうどん屋に出会ってしまいました。
ここのお店は「セルフうどん」と呼ばれる、まぁこっちで言うところの丸亀製麺のような注文システムを採用しているうどん屋さんなのですが、丸亀と大きく異なる点が2つあります。
まず1つは、麺を茹でるところも含めてセルフうどんということです。
てぼに麺を入れ、グツグツと沸騰したお湯の中で好きな時間麺を茹でることができます。硬め柔めの調整はあなた好みにという何とも粋なシステムです。
そして2つ目なのですが、これがスゴいです。麺量もセルフということです。
つまるところ、てぼに入れる麺量は各自で決めて良いとのこと。1玉でも2玉でも3玉でも4玉でも気の済むまでぶち込んでよろしいということなのです。
そして気になるお値段なんとたったの600円。少々太っ腹すぎやしませんか。
うどんではなく麺を入れるどんぶりに料金を支払うみたいですね。
うどん自体の料金が安いことに驚嘆し、調子に乗って色々頼んだら1000円超えちゃった☆
( ^ω^)じゃ、じゃあいただきます! ズルルルッ!
( ゚ω゚)んまぁああああい!!!!!
調子に乗って全部かけちゃった。カオスの形成、宇宙の始まり。
柔らかめのもっちりした歯応えのうどんが、カツオの効いた優しい出汁によく絡んで目が飛び出るほど美味しいです。
それはそれとして、かき揚げはサクサク、とろろはネバトロ、ネギがシャクシャクといった具合で、そのあまりの情報量の多さに感覚器官が聖徳太子状態になっていますが、ただ唯一ハッキリしてるのは、「美味い」ということです。
・・・
11:34
お腹いっぱいの多幸感に包まれながらお寺を目指します。
( ^ω^)霊場巡りもだいぶ板に付いてきた気がするお
( ^ω^)お、着いたみたいだお
四国八十八箇所霊場巡礼
第四十三番霊場:明石寺(めいせきじ)
43/88
11:46
( ^ω^)ほう...なかなか良い仁王門じゃないの
( ^ω^)さてと、参拝しますか!
・・・
境内から次のお寺への道が伸びているようです。
山道臭がプンプンしますが、行けというなら行くしかありませんね。どうせまたアブが蔓延ってるんだろうなぁ。
( ^ω^)柵もあって歩きやすい道なんだお
( ^ω^)全部こういう道ならいいんだけどなぁ... ブーン
(;^ω^)・・・
12:46
山道を下ってすぐのところに古い町並みが広がっていました。
ここは観光用に整備された道なのでしょうか。しかしながら人は見当たりません。
( ^ω^)こういうところで食べたら美味しいんだろうなぁ
さっきまでずっと田舎道だったのに、気づくと街らしい景色になってきた。
( ^ω^)あとはこの道をずーっと真っ直ぐ歩くだけか
(;^ω^)迷子にならないのは助かるけど、退屈だし何より暑いんだお...
高知と愛媛を繋ぐ太い国道。車の往来も賑やかなものになっています。
いつものことながら暑いです。足の痛さも相まってじっとりとした汗が滲み出ます。
14:41
田園風景に様変わり。景色がコロコロ変わるのは飽きないのでよろしくてよ。
(;^ω^)暑い...暑いお... ミーンミンミン
(;^ω^)ハァハァ... 今更だけど夏のお遍路ってこんなしんどいんだおね...
(;^ω^)んぉ?随分と分厚い雲だお
( ^ω^)お!日が陰ってきたお!ありがとう雲!
景観的には晴れの方がいいのですが、晴れというか炎天なので体力が持ちません。
なので、たまにこうやって陰ってくれるだけで体感温度が全然変わってきます。
15:42
それからしばらくしてトンネルが見えてきました。
ここも本来のルートであれば峠越えなのですが、歯長峠で気力を使い切ってしまったため楽をしようと思います。ベテランおヘンラーの方々、どうかお許しを。
( ^ω^)大洲市に突入ー!
( ^ω^)ここから2時間弱くらい歩けば今日の目的地だお
(;^ω^)フゥ... もう二息くらいの辛抱だお...
17:15
( ^ω^)お、民家が見え始めたお
( ^ω^)もう少し行くとスーパーがあるみたいだから、そこで夕ご飯を買おうかな
というワケでショッパーズに到着です。ローカルスーパーの香りムンムンですね。
店内を物色し、カロリーの高そうなお弁当を探し出します。
買い物を済ませたら、今日の野宿場所まで急ぎます。
今夜は公園に泊まる予定なのですが、そのすぐ横にスーパー銭湯を見つけてしまい、現在テンションがすこぶる高まっています。
17:53
『長く暑い道のりだったが、耐え→休み→歩きを繰り返し、18時前に目的地に着いた』日記より
(;^ω^)到着ー!!!
(;^ω^)今日は頑張った!よく頑張ったお!
( ^ω^)えーと、そしたらテントを張る場所探さないと...
( ^ω^)東家の下にテントが張ってあるお...
( ^ω^)まさか先客がいたとは...こりゃお遍路さんで間違いないおね
( ^ω^)スゥー えーと...そしたらどうしようかな
( ^ω^)人通りもないし、トイレの横でいっか
( ^ω^)さて!そしたらご飯食べて温泉に行くおー!
( ^ω^)それじゃあいただきm...って、あ!さっきのおばあさん!
おばあさん「あら〜!またお会いしましたねー!」
実は買い物を済ませてここに向かう途中、自転車に乗ったおばあさんにお会いして挨拶をしたのですが、どうやらご自宅もこの辺にあるらしいみたいで再会することができました。
おばあさん「あ、そうや!ウチからそうめん持ってくるけん、しばらくここで待っててもらえますか?」
( ^ω^)えっ!?いただいていいんですか!?
おばあさん「二度も会うなんて何かのご縁やけん!ちょっと取ってきますね〜!」
( ^ω^)あ、ありがとうございます!
おばあさんが家でそうめんを茹でている間、この卵焼き弁当を食べながら待つことにしましょうか。
それにしても、出会って数分、下手したら数秒の人間にこうも親切にしてくれるなんてやっぱりちょっとおかしいというか、自分がもし同じ状況に遭遇していたらできないんじゃないかなって思うんです。
目の前をふっと通りかかっただけの名前も出身も職業もわからない人に対して「頑張ってください」と声をかけるのだって、僕なら躊躇してしまう気がするんですよね。
だからこそ誰かが自分に声をかけてくれた時は、親切心とは別に大なり小なり勇気を出しているんじゃないかなって思います。
ならばその親切心はどんな形であれ受け取りたい。僕はそういう理由で相手からの好意は遠慮せずに受け取るようにしています。
相手がそうしたいと思ったことに対しての過度な遠慮は、相手の迷惑を考えて謙虚な姿勢を取っているように見えて、その実、相手の好意を否定しているのかもしれませんね。
薬味を別包装で用意してくださった。その配慮に涙がもう止まらないよ。
( ゚ω゚)スゴく美味しいそうだお!
( ^ω^)わざわざありがとうございます!
おばあさん「いえいえ〜!明日も暑いけん、気ぃつけてくださいね!」
( ^ω^)はい!本当にありがとうございます!
( ^ω^)...素敵なおばあさんだったお
( ^ω^)ズルルッ
( ゚ω゚)くぅー!!!たまらーーーん!!!
18:51
( ^ω^)お楽しみの温泉だお!
( ^ω^)えーと、大人の料金はっと...
受付のおばさん「あ、もしかしてお遍路さんですか?」
( ^ω^)あ、はい!
おばさん「でしたらお遍路さん料金でこちらになりますね!」
( ^ω^)あ、わかりました!
( ^ω^)(お遍路さん料金って何だお!?)
20:34
バタフライができそうなほど広い大浴場に骨の髄まで癒された。
お安く温泉も堪能でき、身も心もリフレッシュできました。
お遍路さん料金には驚かされましたが、この場所が遍路道になっている関係で度々お遍路さんが来るんでしょうね。
しかしそんなピンポイントな割引があるなんて、四国はお接待文化が根付きまくってますね。
( ^ω^)ホカホカ 今日はよく眠れそうなんだお
( ^ω^)明日も頑張れそうだお!
・・・
27日目終了です。
それでは次回のブログでお会いしましょう。ではまた。
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