会いたい人、行きたいところが多すぎる

日本一周の魔力はやはりスゴかった。

 

もう2年も前のことなのに不意にフラッシュバックし、当時の出来事がありありと鮮明に浮かんでくる。それは食だったり、景色だったり、心情だったり、様々だ。

その旅路で多くの人に世話になり、また会いたいと思う人がたくさんできた。

 

先月までしていたお遍路で、日本一周中世話になった人に何人か会うことはできたが、まだまだ会いたい人はたくさんいる。

 

 

 

例えば北海道別海町に住む酪農家の家族だ。

あれはまだ寒い6月のことだった。とある旅人の紹介で訪問したのだが、その家族の温かさに癒され、冷え切った体がじわーっと溶けるような暖色の日々を過ごした。

 

余談だが、僕の一番好きな漫画は『銀の匙』という漫画だ。北海道を舞台にした農業高校の話なのだが、命や夢に焦点を当てた青春ストーリーがとてもリアルで面白い。

小学生の時に初めて読んだが、子供ながらに感動したのを覚えている。

 

 

 

あの酪農家の家族と過ごした日々は、まさに銀の匙のような、北の大地を全身で感じられるイベントばかりだった。

 

搾りたての牛乳を飲んだり、牛舎の糞を掻き出したり、搾乳前の牛のおっぱいをタオルで拭いたり。夕方にはバギーで牧草地を駆け抜け、夜は家族みんなでジンギスカンを囲い、独特なラム肉に舌鼓を打ったり...

 

日本一周が終わった今でも、時々自分のブログを読み返しては目を遠くにやっている。

 

原付で北海道まで行き、その家族に会うための計画を練っていたりもしたのだが、そもそも原付を持っておらず、金銭的にもそこまで余裕がなかったため断念してしまった。

 

 

 

会いたい人や場所はたくさんある。

函館に住む家族、小樽にあるライダーハウス、むつ市に住む家族、沖縄にあるゲストハウス、長崎に住むおじいさん、エトセトラ...

 

大学生というエンペラータイムがもう1年あれば、叶えられただろうか。

日本全国に会いたい人ができたというのは、とても贅沢なことだ。贅沢なことなのだが、時間的・金銭的に会いたくても会えないもどかしさが僕を襲う。

 

お金、時間は有限であり、使い方は慎重に吟味しなければならない。

至極当然なことだが、実体験として学んでいるかそうでないかだと、その言葉の浸透力に雲泥の差が生まれる。

その当たり前のことを20歳という若さで学べたことが何よりもの財産だと、今ではそう思う。

 

 

 

残された大学生活はあと5ヶ月。

限られたお金と時間をどのように使うか。どうせなら、全て燃やし切ってしまいたい。